アメリカでも都市の分散化が見直されるようになって、職住接近が再び新しい観点から検討されています。


典型的な例に、ニューヨークのマンハッタンの南側のワールドフィナンシャルセンターがあります。


これはダウン・ジョーンズ、メリル・リンチ、アメリカン・エキスプレスといった会社が入った超高層ビルが4本できた場所ですが、ここの敷地の半分は住宅地になっていて、かなりたくさんのアパートができています。


なぜそういうことをやっているかといえば、マンハッタンの南側はウォールストリートが象徴する金融街。


平日の午後5時以降、土曜日、日曜日には人がいなくなってしまいます。


時計 ジェイコブなどブランド時計を買いに観光客がくる程度で、ほとんど人がいません。


当然犯罪などの問題が起こります。


これを何とかするために、その地区を土曜日、日曜日も夜も人がいる場所にする、マンハッタンにもっと人を住まわせることが計画されたのです。


1985年、事件が最高裁判所に持ち込まれると、司法省は日本企業にとって頼りになる申立書を提出し、この事件の却下を要求しました。


司法省はゼニスに有利な判決が、日米関係を傷つけるだろうと抗弁しました。


政府はそのうえ


「外国の主権者によって無理強いされた外国企業のビジネス慣行は、私的な反トラスト訴訟によって責任を負わされるべきではない」


・・・という不法な議論を行ったのです。


全く自然なことですが、日本企業は自国政府が彼らにそうさせたのだと主張しました。


ワシントンが自身の貿易法規・・・


その近代化はいうまでもなく、これを実施する意思と能力を欠いているかぎり、法規違反は外国企業にとってアメリカ市場をつかみ、アメリカ産業と企業・職を破壊する確かな方法でありつづけるでしょう。


それにしてもアメリカ貿易法規の積極的な実施のために、議会は追加資金を関税局に振り向け、その用途を行政部に委任する必要があるのです。


これらの処置は不法な輸入を減らし、関税の微収額を大幅に増やすのに役立つでしょう。

7つの異なるプログラムが不法な貿易慣行に対処するために用意されています。


しかし、ずっと痛めつけられてきた企業や産業にとってはほとんど助けにならないのがしばしばあるのです。


輸出奨励金相殺関税や対ダンピング関税は、ダンピングを止めさせるために作られたものではなく、単に外国企業の非合法な利得を罰するだけのものです。


もし捕まっても、その罰金はアメリカ市場の一部をおさえることによって得る長期的な報酬で帳消しになるのです。


現行の手続きは損失をかかえるアメリカ企業にとってとりわけ不公正です。


なぜなら、一産業全体が損害を立証しなければならないからです。


しかも関税が課されても、その金は連邦政府の懐に入るのです。


一番重要なことは、アメリカのテレビ産業が、政府はアメリカ企業と職を外国の政策目標のいけにえにするだろう、ということを悟ったことです。


たとえば、ゼニスは日本のテレビ製造企業がアメリカの反トラスト法を破るために共謀した証拠を集め、損害賠償請求訴訟を起こしています。

1960年代と70年代は世界経済が調和を保っていました。


しかし、日本は国内市場を輸入品から保護し(1976年、日本でのテレビセットの販売台数500万のうち輸入されたのはたった50台でした)、国内でのテレビの価格を高くして輸出を補填していました。


(1976年に一番安い19インチ・カラーテレピは日本で700ドルで売られましたが、同じセットがアメリカでは350ドルで販売されました)。


そして、アメリカのシアーズのような大規模小売業者に不法なリベートを与えて彼らの「ちょっとした不公正な利益」をモノにしました。


アメリカのテレビ製造業界は1968年にダンピング提訴を行いました。


しかし1971年に到るまで、政府はダンピング認定を発表しなかったのです。


日本はそのままダンピングを続けました。


1977年、関税局が日本企業にアメリカ政府への4億ドルの支払いを命じています。


しかし財務省は関税局の命令をくつがえし、たった4600万ドルの関税を課しただけです。


そしてこの額は1980年の決定でさらに減額されました。


日本のダンピング戦略とワシントンの遅くて効果のない対応が相侯って、日本はアメリカのテレビ市場を勝ち取ったのです。


アメリカ企業は廃業を止むなくされるか、日本企業に会社を売り払うか、海外へ移転させられるハメになりました。


その結果、2万3000人以上のアメリカの生産労働者が1973年から1982年までの間にカラーテレビ産業で職を失いました。


その産業で学んだように、アメリカ企業が不公正な外国貿易慣行から救出される場合でさえ、救済手続きはあまりにも複雑でコストもかかるのです。

競争相手より10パーセント安く見積れ。


もし相手がさらに値引きしたら・・・


もう10パーセント値下げせよ・・・


日立が勝ったところで値下げを止めよ・・・


10パーセント・ルールで勝て・・・


AMDとインテルの取引先を探せ・・・


相手価格の10パーセント安で見積れ・・・


もし相手がさらに値引きしたら、さらに10パーセントやれ・・・


勝つまで止めるな・・・


25パーセント流通マージン保証。


・・・この不法な攻撃はアメリカ企業に少なくとも9億ドルの損害を与え、経済には数千の失業をもたらしました。


アメリカ企業の合法的救済はあまりに遅く、腰が重いので、何が起きたかという通報をワシントンが採りあげるまでに、外国企業はアメリカ市場を自分たちのやり方に力つくで従わせてしまいました。


払わされるかもしれない何らかの懲罰的な代償はおまけにすぎなかったのです。


このパターンは何度も繰り返されました。


日本が1970年代を通じてテレビについて行ったことは、まさにそれです。


高品質のテレビセットがアメリカでダンピングされ、アメリカ市場が奪われて国内産業が減産を余儀なくされ、何千という職が失われました。

今日の競争環境では、工作機械や家庭電器の市場ポジションは1年から3年で崩れ去るでしょう。


4年間の再審理と判決までのプロセスは、それが一般的であるとはいえ・・・


アメリカ企業にとって手ひどい損害です。


特に、侵略者が有罪で弁償金を払わされるとしても・市場アクセスとマーケット・シェアの維持を許されるからです。


政府は押収された商品を再び船積みし、他の国へ売ることさえ模造者に許しています。


こうした環境の中では、ダンピングのような違法行為は外国企業にとって抜け目のない市場戦略です。


そのお陰で、アメリカ企業にとって新製品開発が危険すぎる不景気の期間、外国企業はフル操業に近い状態なのです。


ダンピングがどれほど略奪的なものであるかは、1984年と85年の日本製半導体のアメリカ市場への殺到が示しています。


1986年に、国際貿易委員会は日本企業が半導体を生産価格よりはるかに安く売ってアメリカ市場の75パーセント以上を獲得したのは犯罪行為だと認めました。


実際、このダンピングによってチップ一個当たりの値段は1984年の18ドルから1985年の2ドルへと下落しました。


予算削減に直面して、FCCは関税局に20万ドルしか供与できませんでした。


関税局も予算削減をこうむっていたので、あとの2万3000ドルを出すことができなかったのです。

この2つの官庁は、予算の許す水準まで検査を減らす方法で合意できませんでした。


関税局の答えは輸入された通信機器のすべての検査を中止することでした。


そこでFCCは輸入者が自分自身の職員を使って直接に正式報告書を提出し、FCCのスタッフが見本調査を実施するという提案をします。


しかし関税局は書類をFCCに配布することもFCCの職員が見本調査をすることも拒否しました。


こうして2万3000ドルばかりの金がなかったこと・・・


役所同士のつまらないけんかのために何千という通信機器・・・・


それらの多くのものは疑いなく模造品かFCCの安全基準に違反しているfがアメリカ市場に入ってしまったのです。


不法な貿易行為についてアメリカ企業が告訴すると、アメリカの貿易機関はその会社に損害立証義務を負わせ、そのうえ判決までに数年もかかります。

毎年60万枚のシャツに偽せのラベルを貼ってアメリカへ輸出し、月額65万ドル以上稼いでいたある台湾人の模造業者は、たとえ商品の20パーセントを押収されても儲かるとうそぶいていました。


法律の手ぬるい実施は、また何億ドルという輸入関税を財務省の懐に入れさせません。


関税局は課税対象となる全輸入商品の30パーセントは、関税をごまかしたり安くするために、外国企業によって中身と異なるラベルを貼られていると報告しています。


商品は検査されることがないので、この盗み同様の行為のほとんどは決して見破られません。


下院エネルギー通商委員会は追加される税関検査官一人当たりが徴集する関税は、検査官のサラリーと間接費の一8倍になるでしょうと推定しています。


貿易担当局の間の官僚的ナワ張り争いは、不法な外国の行為に対する対応をさらに弱める・・・

エネルギー通商委員会はまた、連邦通信委員会(FCC)と関税局の間の論争が、無線通信機器の輸入に対する検査と法律の実施の完全な失敗を引き起こしたと報告しています。


1980年、FCCは関税局にこれらの機器の検査のために20万ドル弁済しました。


1981年までにこれらの検査費用は22万3000ドルに値上りしています。


アメリカの労働者調整援助計画も同様に効果がありません。


それらは22の計画でできた動きのとれない迷路の体をなしています。


連邦政府交付金のあらゆる弊害・・・


意思決定の遅さ、官僚的形式主義、競合する申請者同士の政治的資金配分などを備えています。


アメリカ政府は不法な外国貿易慣行を差し止めるのに必要なあらゆる法律を事実上もっているにもかかわらず、それを実施する意思に欠けています。


400の貿易法規定の主な実施機関である関税局は、予算削減で非常に弱体化しています。


そのため、関税と原産地証明を受けなければならない輸入商品のわずか2パーセントを検査するにすぎません。


この手ぬるい実施は、破廉恥な会社がアメリカ市場に何十億ドルという額の不法で詐欺まがいの商品をあふれさせるのを助長しています。


にせの避妊用ピルや混ぜ物をして品質を落とした食品・・・


欠陥のある自動車部品・・・


詐欺まがいの航空機復位装置のような商品がアメリカの消費者を危険に陥れています。


繊維・衣料品貿易はアメリカの貿易法令の手ぬるい実施が、いかに無法な行動を助長しているかを示しています。


関税局はアジアの発展途上国からの不法および模造繊維・衣料の輸入を見分けて差し押えるためにたった3人の取扱い官しか配置していません。


その結果、これらの国の会社は何億ドルという額の不法な商品をアメリカに出荷することができるのです。

GATTの「回避条項」規定は、輸入急増が国内産業を傷つける恐れがあるとき、特にその国が一時的に貿易協定義務から「回避」することを許しています。


アメリカの法律規定(貿易法第201条)も新しい競争条件への秩序ある調整を一層容易にするためのものです。


政府がこれらの規定をほんのたまに、しかも目の敵にしながら使うことは、産業にとって当然の救済を要することすら尻ごみさせるものでした。


その実施に当たっても、ひどく痛めつけられてきたことを産業に立証させるという連邦政府の要求自体、手続きを非常に遅らせることになりました。


救済が与えられたとしてももはや産業は修復不可能なのです。


貿易調整救済法のもとで財政援助が与えられたときには、それはたいてい産業の葬式費用になりました。


レーガン政権がこの法律による資金供与をほとんどしなかったので、今日、産業調整に対する財政援助は事実上利用できません。


アメリカが脅かされている産業を救済したときの主なやり方は、次々に脈絡のない「秩序ある販売行為協定」と「自主数量規制」の一連の交渉をすることでした。


しかし、それは特殊鋼、靴、カラーテレビ、バイク、砂糖、繊維、自動車の輸入を規制するためでした。


・・・このような協定はあまりにも効果がなく、時間とコストがかかり、しかも複雑です。


そのため、産業はあらゆる行動がとられる前に回復できないほど傷つけられるのです。

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