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ヘルシーライフ

大好きな大根でおいしい日々

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映画の鑑賞法 3 前回も書きましたが、B級映画との最も現在的な出会いの場は、深夜テレビでしょう。


そして現在、日本の中流家庭でその場に最も接しているのは、たぶん父親勢です。


これに気がついたのは、数年前のある夜中にポーッとテレビをつけていた時でした。


親父がのそのそ起き出してきて、チラッと画面を観るなりこう言うのです。


「ああこれ、つまらん」

「え?知ってんの」

「何度も観た。もうすぐこの女の子が、シュルシュルーとかいってヘビになっちゃうんだ」


と言ってるそばから、セコい特撮でホントにそうなってしまいました。


「ほれ見ろ、バカらしい」と言いつつ、親父は得意げにその先の展開を細々と解説してくれたのですが、それが全部、その通りに起こります。


その後も、「どっかのモーテルで客を首まで埋めて、人肉ジャーキーをつくる話」(『地獄のモーテル』ですな)や、「みんなでナマコをのむ話」(クローネンバーグの『シーバース人喰い生物の島』だった)や「飛行機盗んで砂漠でゴロゴロする退屈な話」(B級じゃないけど、アントニオー二の『砂丘』)などで博識ぶりを見せつけられて、わたしは脱帽したものです。


似たような症例は、知りあい数人からも報告されています。


すると、いまは文化的な方面には無縁と思われ、家庭の中でも居心地の悪そうな父親たちが、ある日B級ゲテモノ映画解説者として新たな地位を見いだす、なんて事態がひょっとしたらあり得るかもしれません。


むろん、そんな地位が何の役に立つわけではありません。


しかし、これもまたB級ゲテモノ映画らしい状況だ、とは言えそうですね。


ジャック・ケルアックは、1日中ビールを飲みながら母親とテレビを観つつ死んだけれど、現代日本の退屈な日々には、夜中に父親とゴロゴロしつつB級ゲテモノ映画をテレビで観る、なんてのが人畜無害で似つかわしいのかもしれません。


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